千利休せんのりきゅう
安土桃山時代の堺の茶人で、わび茶(簡素さや足りなさの中に美を見いだす茶の湯)を大成した。織田信長と豊臣秀吉に茶頭(茶の湯のことを受け持つ役)として仕えた。その茶の湯は、表千家・裏千家・武者小路千家の三千家に受け継がれている。
何をした人か
- 北向道陳、武野紹鷗に茶の湯を学び、わび茶を大成した。
- 信長・秀吉の茶頭を務め、秀吉の側近として政治にも関わった。
- 1585年の禁中茶会で秀吉の後見を務め、天皇から「利休」の居士号を与えられた。
- 二畳という小さな茶室や、客がくぐって入るにじり口を工夫した。二畳の茶室「待庵」は、利休が手がけた茶室と伝わる。
- 専門の職人に命じて、長次郎の楽茶碗など、茶の湯のための新しい道具を作らせた。
生涯
1522年、和泉国堺の今市町に生まれた。父は田中与兵衛で、家は魚問屋を営む有力な町衆だったと表千家は説明する。「千」の姓は千阿弥という人の名に由来するとされ、表千家は千阿弥を利休の祖父とし、裏千家は足利将軍家の同朋衆だった遠い先祖と伝える。17歳のころ北向道陳に茶を習いはじめ、のち道陳の紹介で武野紹鷗に学んだ。1544年に奈良の松屋久政を招いた茶会が、宗易の名で記録に残る最初の茶会と思われる。禅にも深く帰依し、大林宗套や古渓宗陳らに参禅した。
1573年ごろには、信長に茶頭として仕えていたと思われる。1582年の本能寺の変のあとは豊臣秀吉に仕え、側近として政治的にも重い役割を果たした。このころ堺から京都に移り、大徳寺の門前に屋敷を構えて「不審菴」の茶室を設けた。
表千家は、天正10年代(1580年代)に入ると、利休の茶の湯は大成の域に達したと思われると説明する。1585年、秀吉の関白就任を記念する禁中茶会で、正親町天皇に茶を献じた秀吉の後見を務め、「利休」の居士号を与えられた。1587年の北野大茶の湯では、津田宗及・今井宗久らとともに演出に関わった。
1591年2月13日、秀吉から堺へ追放され、蟄居(謹慎)を命じられた。京都に呼び戻され、28日に聚楽屋敷で切腹した。70歳だった。切腹の原因としては、大徳寺山門に利休の木像を掲げた件が一般に知られるが、本当の原因は分からないと表千家は説明する。
いまの茶道に残るもの
利休の茶の湯は、孫の宗旦の三人の息子によって、表千家・裏千家・武者小路千家の三千家に分かれて伝わっている。表千家は、待庵に見る二畳の茶室、にじり口、一汁三菜の簡素な懐石、長次郎の楽茶碗などを、利休のわびの工夫として挙げる。利休の言葉や逸話は、表千家四代の江岑宗左が、おもに父の宗旦から聞いて書きとめた『逢源斎書』などに残る。
伝わる話
逸話として伝わるもので、史実とは限らない。
- 利休の庭の朝顔が見事だと聞いた秀吉が朝の茶会に来ると、庭に朝顔は一枝もなかった。小座敷に入ると、床に一輪だけが生けてあり、秀吉をはじめ一同が目の覚める思いをしたと伝わる。1701年刊の『茶話指月集』に載る話。
- ある人の茶会で、後座の床の花を見た利休が「この坊主に久しく会っていないな」と言った。茶会のあと、水屋にいた池坊専好を呼び出させ、花を見ただけで誰がいけたかを言い当てたと『逢源斎書』に伝わる。
- 大坂の守口のわび茶人を突然訪ねた利休が、柚みそでもてなされ、「わびのもてなし、一段と面白い」と深く感じ入ったという話が『茶話指月集』にある。
- 切腹を前に堺へ下る利休を、高弟の古田織部と細川三斎が淀で見送ったという逸話が伝わる。
年表から
- 1582利休の二畳の茶室・待庵
- 1585禁中茶会と利休居士号
- 1586黄金の茶室と宗易形の茶碗
- 1587北野大茶湯
- 1591千利休が切腹する
関係する人
出典
- kotobank.jp/word/千利休-18237
- urasenke.or.jp/textc/about/spirit4.html
- omotesenke.jp/list3/list3-1/list3-1-1
- omotesenke.jp/list3/list3-1/list3-1-2
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- omotesenke.jp/list3/list3-1/list3-1-4
- omotesenke.jp/list3/list3-2/list3-2-1
- omotesenke.jp/list3/list3-2/list3-2-3
- omotesenke.jp/list2/list2-1/list2-1-4
- omotesenke.jp/about-omotesenke
- kotobank.jp/word/待庵-90738
- kotobank.jp/word/三千家-514024
- kotobank.jp/word/納屋衆-108544
- kotobank.jp/word/茶頭-511329
- omotesenke.jp/chanoyu/7_2_7a.html
- omotesenke.jp/chanoyu/7_3_2a.html
- kotobank.jp/word/茶話指月集-1562629
- omotesenke.jp/chanoyu/7_2_10a.html
- omotesenke.jp/chanoyu/7_2_25a.html